小説

なかなか酔うなあ、と心臓の下を引っ掻くような宇宙船の音を聞いていて思う。 地球にはなかった音だから慣れる気がしなくって、非現実的な現実に、何度も繰り返した哲学的な問いを虚空へ投げかけた。 ─── 特筆すべきことのない人生を送っていたと思うけれど…